Ⅰ.Data
イラスト:しきみ
初版:2015年11月1日
ページ数:284
Ⅱ.Score
このラノベは特殊なラノベです。他のラノベに見られるようなエッチな場面やキュンキュンする場面も無いのですが、なんだか素晴らしい。読んでほっこりします。
「神様の子守」って何かのたとえなのかと思っていてましたが、ホントに人間が神様を育てる話です。よってファンタジー度「5」。
ストーリーも考えさせられるストーリーで、ストーリー、総合ともに「5」とさせていただきます。
Ⅲ.Impression
Scoreの欄で書いたようにこのラノベ、本当に神様の子供を育てる話です。しかも、就活に失敗ばかりしている冴えない青年が。
何の神様の子供かと言うと、東西南北の守り神、ご存知「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」の四神です。
なんと、この四神、卵から孵っちゃうんです。最初は、僕も「へー、神様って卵から孵るんだー」なんて少し馬鹿にしながら読んでいたのですが、主人公が子育てに悩みながらも立派な神様にすべく四神を育てていく姿に心打たれ、物語に引き込まれていきました。
おそらくですが、作者先生も子育てで苦労した経験がおありなんじゃないかと思います。最近は子育てで悩んで幼児虐待や子育て放棄なんかしてしまう若いお母さんのニュースもよく耳にします。ちょっと大げさですが、そんな若いお母さん方にも読んでいただきたいラノベです。
ストーリー的には、神様のお話ですから、神様の力を使う話が出てきます。
あとは、「生」と「死」を題材としたもの。
幼い子供を亡くした若いお母さんを心配して、亡くなったその子供が現われて、主人公と四神にしか見えないけど、そのお母さんを助けるという物語が記憶に残ります。
これまたちょっと大げさですが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも似た感じを受けます。それだけ優れたラノベで、是非一読されることをお勧めします。
ちなみにこのラノベ、既に人気シリーズらしく、現在第12巻まで出ているようです。
もっと早く出会いたかった1冊です。