Ⅰ.Data
初版:2018年12月1日
イラスト:夜咲 こん
ページ数:270
Ⅱ.Score
医者(しかも女医)の異世界転生物というのは寡聞にして聞いたことが無いので、ファンタジー度「5」。残念ながらエッチ度「1」。異世界の王子様との恋らしき形にはなって行きますが、まだそれほどキュンキュンって感じではないのでキュンキュン度「3」。しかしながら、総じて良質のラノベなので、総合「4」とさせていただきます。
Ⅲ.Impression
この女医さん、最初異世界に転生してもメイドになったりしていたので、女医の必要性まるでないじゃんと思っていましたが、後でちゃんと医者として活躍することになったので安心しました。ただ、欲を言えば、もう少し転生前の新米女医のエピソードが語られると、転生前と転生後の比較ができて良かったかもしれません。
まあ、でも転生後に医者として活躍してる場面はちょっと怖いですよ。だって、盲腸の手術にモルヒネで麻酔して、果物ナイフで切るんですよ。ちょっとウッてなりますよね。
でもこの作品、医療技術がメインの作品ではないです。異世界の宮殿の古いしきたり、伝統を破っていき、異世界の医療事情をどんどん改善していこうとするアグレッシブな女医さんの物語です。
実際、今までのやり方を変えるのは努力の要ることです。ラノベはフィクションだからいいですけれども、実際の場面では、やり方を変えるのは相当の勇気が要りますよ。やり方変えたから必ずしも改善するとは限りませんから。何かを改悪してしまうよりも、今まで通りやっていた方が楽ですからね。
でも、失敗してもいいからやってみないとね、と作者先生は少年少女の皆さん言いたいのだと思います。
さて、この女医さん、自分の恋には無頓着のようです。さんざん助けてくれた王子様との恋ももう一歩進めてみないと、やってみないと、と思ってしまいました。
もっともこの作品、すでに第3巻まで出ているようですので、王子様との恋の話もだいぶ進展しているとは思います。