Ⅰ．Ｄａｔａ
イラスト：成瀬 ちさと
ページ数：287
Ⅱ．Ｓｃｏｒｅ
例によって魔法学校の話で、ファンタジー度「４」。共学なので、キュンキュンとまではいかないものの、男女の話は出て来るのでキュンキュン度「３」。極めて真面目なラノベでエッチ要素は無いのでエッチ度「１」。でも僕自身根が真面目で、真面目なラノベ嫌いではないので、ストーリー、総合ともに「４」とさせていただきます。
Ⅲ．Ｉｍｐｒｅｓｓｉｏｎ
魔法学校の話です。僕は魔法学校と言うと、真っ先にハリー・ポッターを思い浮かべます。ハリー・ポッターの魔法学校は、所属する寮で生徒たちが分けられていましたが、寮の無い普通の学校はクラス分けがありますよね。
このラノベは、そんなクラス分けのある魔法学校の話です。しかもそのクラスは成績によって分けられる、なんとも身につまされる物語です。
クラスは、Ａ、Ｂ、Ｃの３クラス、Ａが優秀クラス、Ｃは言ってみれば落ちこぼれです。Ｃクラスは４人しかいないのですが、それぞれ訳ありでＣクラスに落とされた面々です。
そのＣクラスの面々は実は、成績優秀なＡクラスよりも能力があるという、ありがちなストーリーです。その能力の一つに書名にも入っている「古代魔法」があるわけです。
しかしながら、僕が解せないのは古代魔法の方が現代魔法より圧倒的に力が強い点です。やっぱり何事も、昔よりは進歩していたいものです。主人公が古書を読んで古代魔法を身に付けたのであれば、そういう勉強熱心な人物が主人公一人だけというのも寂しいところです。「現代」はそれほど落ちぶれてはいないでしょう。
ま、そんな些末な矛盾点をつつくのは置いておいて、主人公を含むＣクラスの４人は性格が良すぎて、このラノベ自体も安心して読み進められました。
それぞれ訳ありの４人ですから、最初は噛み合わない点も多々あるのですが、お互いの長所を認め合いクラス全体が成長していくわけです。しかも、それはＣクラスにとどまらず優秀なＡクラスも巻き込んでいきます。
例によって、優秀クラスの面々は性格が良いのばかりではないわけですが、Ｃクラスの力でそんなＡクラスのメンバーも徐々に改心させられていきます。
世の中、そんなに上手くいくわけないじゃんと思う人も多いと思いますし、こんな綺麗ごとばかりの物語は面白くないと思う人もいるとは思いますが、僕は、こういうストーリー、嫌いじゃないですね。
