Ⅰ.Data
作者:常陸之介 寛浩
イラスト:茨乃
初版:2020年11月25日
ページ数:286
Ⅱ.Score
僕の大好きなシリーズです。例によって数ある転生物のなかでも、日本の安土桃山時代への転生物という稀有なラノベなので、ファンタジー度「5」。今巻から史実とはかけ離れた内容になってきましたが、作者先生の好きなものを書いておられるのので、変わらず面白く、ストーリー「4」。史実と離れて面白く無くなるかと思っていたのに、期待を良い意味で裏切られたので、総合「5」を付けさせていただきました。
Ⅲ.Impression
Scoreの欄でも書きましたが、今巻から信長の安土城からは離れた、作者先生の愛する故郷、茨城県が舞台となります。
ま、そのうち来るかなとは思っていましたが、主人公の黒坂常陸守真琴様は信長から常陸国(茨城県ですよね)を拝領します。
そんなことあるわけないと思っちゃだめです。作者先生の好きなことを好きなように書いていただいた方がラノベは面白くなります。
実際、作者先生は好きなことを好きなように書いておられます。
まず黒坂真琴は、「茨城城」を建立します。
ま、ここまでは良いです。でもそのお城の大手門の名前が面白い。「鉄黒漆塗風神雷神萌美少女門」だそうです。
なんで、安土桃山時代に「萌美少女」が出て来るの???
でも僕これ好き(^.^)
実際僕もお城を建てて好きな装飾をして良いと言われれば、絶対どこかに萌え要素は入れ込むことでしょう。
でも、この美少女門はみんなが笑顔で生きていくことができる国を造る決意を示すものなんだそうです。良く出来た言い訳(^^;
城下には遊郭も出来るのですが、黒坂真琴は女の子が無理やり働かされるのを好みません。よって遊郭も、売られてきた女の子を使わない、女の子を虐待しない、年季が明けたら希望の地に返す、などなどの条件を付けて許可します。
これ、僕、ホント共感できちゃいます。女の子とはそういうことしたいけど、その女の子が悲しんだり、嫌がったりすることはしたくないですものね。
あと、気に入ったのは、板張りのお城は足が冷たいだろうと、お城の女の子達にルーズソックスを支給するところ。物語的には、別に普通の靴下渡せばいいじゃんってところ、なんでルーズソックス???もはや自分の好み全開。しかも少々古臭くて、作者先生のオジサン度爆発!(^^)!
こんな奇想天外の国造り、次巻以降も大いに期待してしまいます。
Ⅳ.Goods
今回も付いてました、「書き下ろしスペシャルストーリー」。
今回の内容は茨城県のお水の話。
あ、お水と言ってもそのお水ではありませんよー。