Ⅰ.Data
作者:志瑞 祐
イラスト:遠坂 あさぎ
初版:2021年1月25日
ページ数:295
Ⅱ.Score
ファンタジー度はいつも通り「4」。エッチ度、ギャグ度、キュンキュン度とも「2」と低めですが、ストーリー、総合は「4」とさせていただきます。
Ⅲ.Impression
エッチ度、ギャグ度、キュンキュン度という青少年向けのラノベに必要な要素がすべて「2」という低評価なのに、「総合」評価が「4」となってしまうところが志瑞先生のすごいところだと思います。
その青少年向けラノベに必要な要素を全部「2」にして申し訳なかったのでが、今巻は、このシリーズ登場人物の中でも、堅物の剣士「咲耶さん」を中心としたストーリーなのでやむを得ないでしょう。
咲耶さんが桜蘭地方出身というのは、今までも知っていたのですが、「刹羅」という姉がいて、二人とも桜蘭地方の姫巫女だというのは今巻で明らかとなる事実です。
しかも、その姉は以前「ヴォイド」よって殺されていた。なのに、咲耶さんの前に立ちはだかり、志瑞先生お得意の戦闘シーンが繰り広げられます。
あまり言うとネタバレが過ぎるので、この辺でとどめますが、前巻からでしょうか、咲耶さんは、「雷切丸」という聖剣を使っているのに、この聖剣を「闇千鳥」という魔剣に変えることができます。しかも、魔剣の方が断然強い。
ま、今シリーズのタイトルが「聖剣学院の魔剣使い」というくらいだから、聖剣を魔剣に変えることができても不思議は無いのですが、登場人物のうち魔剣に変えることができるのは、咲耶さんだけ。今回、その謎が明かされるのかと思ったら、魔剣が使えるようになったいきさつは語られていません。
と言うわけで、ちょっと欲求不満になりつつも、次巻以降の進展に期待させられてしまうという、これまた志瑞先生のすごいところなのだと思います。